こんにちは!軟式野球LABです。息子が小4から小6まで所属していたチームでコーチをやっていたお父さんです。

練習でゴロが転がってくるたびに、息子が一瞬だけ顔を背ける。
本人は気づかれていないつもりでも、親には分かってしまう「怖がり」のサイン。
特に一度イレギュラーで顔や体に当たった経験がある子は、無意識に体が逃げてしまうんですよね。

「逃げるな!」と何度言っても、恐怖は消えるどころか深くなる。これは私もコーチ時代に何度も見た光景でした。

親の疑問

親の疑問
息子がイレギュラーを怖がってゴロを正面で捕れません。どうしたら…?
軟式野球LAB

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うちもまったく同じでした。怖さは「叱る」では消えなくて、ゆっくり戻してあげる練習でしか消えません。

この記事では、「イレギュラーが怖い」と動けなくなった息子に、うちが3ヶ月かけてやった「ゆっくり戻していく練習」を、コーチ経験のある父親目線でお伝えします。

ここから記事内容をチェック
  1. イレギュラーが怖いのは、子どものせいじゃない
  2. うちが最初にやってしまった、よかれと思った失敗
  3. うちが3ヶ月かけてやった、ゆっくり戻していく練習
  4. 家の前と廊下でできる、地味な親子ドリル
  5. フェイスガードは、ぜんぜん「弱さの証」じゃない
  6. 親が独学でやるには限界もあった|うちが頼った教材
  7. 3ヶ月続けても改善しない時は、無理しない
  8. ボール全般を怖がる場合は、こちらの記事も
  9. 最後に|「怖い」は、弱さじゃない

イレギュラーが怖いのは、子どものせいじゃない

一度どこかに当たると、脳が体を退かせるようになる

「痛かった」記憶は、本人の意思とは関係なく、次の打球で体を逃がします。

ゴロを怖がる子の8割は、過去に顔・喉・胸などに打球が当たった経験を持っています。
うちのチームに、4年生の夏に顔面に当ててから半年間ゴロが捕れなくなった子がいました。本人は「怖くないよ」と言うけれど、ゴロが来ると無意識に半歩下がる。これは気持ちの問題ではなくて、脳が体を守るために働いている、ごく正常な反応です。

「怖さに慣れさせる」は、実はかなり危険

怖がっている子に「速い打球で慣らせばいい」と言う指導者がいますが、これはむしろ逆効果と専門家から指摘されています。
ファーストピッチの記事でも「速い打球で目を慣らすは逆効果」とハッキリ書かれていて、恐怖はむしろ深くなっていきます。

叱られた記憶も、怖さに上乗せされる

試合でエラーした直後にコーチや親に強く叱られた経験があると、「ミスが怖い」と「打球が怖い」が一緒くたになって脳に残ります。
この場合、技術より先に「叱られない安心感」を作ってあげるほうが優先になります。

うちが最初にやってしまった、よかれと思った失敗

失敗1: 速い打球で「慣れさせよう」とした

怖いと感じる速度の打球を反復させると、脳は「やっぱり危険だ」と学習を強化してしまいます。

恐怖の克服には「成功体験の積み重ね」が必要で、失敗体験を増やしても自信は生まれません。
私自身、最初の頃は「弱気にならず正面で捕れ」と言ってノックを続けていました。今思えば、息子の恐怖を深くしてしまっていたんですよね。

失敗2: 「逃げるな」と何度も言ってしまった

「逃げるな」「正面で捕れ」は、本能的に体が逃げている子には届かない言葉です。
むしろ「自分はダメな選手だ」という自己否定を強めるだけで、守備への苦手意識をどんどん固めてしまいます。

失敗3: フェイスガードを「みっともない」と思っていた

フェイスガードを「軟弱」「弱い子の道具」と扱うチームや家庭がありますが、これは大きな誤解です。
プロ野球でも、ピッチャー返しのリスクがあるポジションでは普通に使います。フェイスガードは「安心して挑戦できる環境」を作るための道具で、むしろ積極的に使ってあげていいものでした。

恐怖を増やす指導 vs 減らす指導

増やす指導(うちの失敗) 減らす指導(やり直したこと)
速い打球で慣らす 遅い打球で「捕れた」を積む
「逃げるな」と叱る 「最後までバウンド見ようか」と具体化
フェイスガード否定 道具で安心を作って練習量を増やす
失敗を責める 挑戦したこと自体を一緒に喜ぶ

うちが3ヶ月かけてやった、ゆっくり戻していく練習

ステップ1: スポンジボールで近距離トス

最初は「絶対に痛くない」道具で、捕る感覚だけを取り戻します。

ウレタンボールやスポンジボールを使って、3〜5メートルくらいの距離でゆっくりトス。
目標は「ボールを最後まで見る」「グラブを前に出す」の2つだけ。1日5分×1週間くらいで、目線とグラブの動きが落ち着いてきます。

ステップ2: ゆるいワンバウンド

同じスポンジボールでワンバウンド。
山なりの軌道で、子どもから見て「バウンドの頂点」が見やすい高さに調整します。バウンドを見て→落ちてきたところを体の前で捕る、という流れを反復。

ステップ3: 横振りのゆるいゴロ

真正面だけでなく、左右にゆるいゴロを転がして横移動を入れます。
ここでも速度は上げず、「動きながら捕る」感覚を作ります。少し弾むゴムボールに切り替えてあげると、本物のゴロに近い感覚に慣らせます。

ステップ4: フェイスガード着用で実打球

ここで初めて硬いボール(軟式・準硬式)の実打球に移ります。
ただし必ずフェイスガードを着けて。「もし当たっても顔は守られている」という安心感が、体の逃げを止めてくれます。最初は緩いノックから始めて、徐々にスピードを上げていきます。

ステップ5: 少しずつスピードと距離を上げる

ステップ4が安定したら、距離・スピード・打球角度を少しずつ変えていきます。
ポイントは「子どもが怖がる手前で止める」こと。1回でも「怖い」と感じたら、1段階前に戻して再構築します。一度進んだ段階に戻ることは「後退」ではなく、定着のための「補強」です。

家の前と廊下でできる、地味な親子ドリル

壁当ての低めバウンド(5分×週3回でOK)

家の前のコンクリート壁にゴムボールを低めに投げて、跳ね返ってきたゴロを捕る。
親が打球を出さなくても、子どもが自分のペースで反復できるのが最大のメリットです。

ゴムボールでショートバウンド(リビングでOK)

柔らかいゴムボールを使えば、リビングや廊下でもショートバウンド練習ができます。
親が膝立ちで投げて、子どもが膝立ちで捕る。これだけで「目とグラブの距離感」が身についていきます。

「目を切らない」練習

転がってくるボールを最後まで目で追う、という基本中の基本を反復。
ゆっくり転がるゴムボールを膝立ちで捕って、捕った後にボールがどこにあるか言わせる。遊び感覚のドリルですが、これだけで「目を切る癖」がだいぶ矯正されます。

フェイスガードは、ぜんぜん「弱さの証」じゃない

「安心して挑戦できる装備」と捉えてあげる

フェイスガードは怖がりを助長する道具ではなく、挑戦の量を増やすための装備です。

恐怖がある状態でいくらノックを受けても、体が逃げているので技術は身につきません。
フェイスガードを着けることで「もし当たっても大丈夫」という気持ちの余裕ができ、初めて体が前に出るようになります。うちのチームでも、当てた経験がある子は最初の3ヶ月だけ着けて練習し、自信がついてから自然と外していきました。

選び方のポイント

  • 視界が広いタイプ(金網式 or クリアプラスチック式)
  • 軽くて、長時間つけても疲れない
  • ヘルメットへの取り付けが簡単
  • 少年野球サイズに対応している

🛡 少年野球用フェイスガード

「もし当たっても大丈夫」という安心感を作る、段階練習の必需品。

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親が独学でやるには限界もあった|うちが頼った教材

「次のステップに進む基準」が、けっこう難しい

ここまで紹介した段階練習、親が独学でやろうとすると「いつ次に進んでいいのか」の判断が地味に難しいんです。
「ステップ3からステップ4に進むタイミング」「フェイスガードを外すタイミング」など、経験がないと迷う場面が必ず出てきます。

うちが3ヶ月目に手に取ったのは、元プロコーチの教材

うちが3ヶ月目で「ちょっと頭打ち感あるな」と感じた時に手に取ったのが、元西武・楽天で内野守備コーチを務めた清家政和さん監修の「内野守備・上達革命」でした。
「打率10割は無理だけど、守備は10割可能」というシンプルなコンセプトで、捕球姿勢・グラブの使い方・送球コントロール・ポジショニングまで、順序立てて整理されています。

YouTube動画を断片的に見ても、頭の中でうまく繋がらないことが多かったのですが、この教材を1本通して見たら「あぁ、こういう順番で教えればいいのか」とスッキリしました。

⚾ 内野守備・上達革命

元西武・楽天 内野守備コーチ/清家政和 監修

「打率10割は無理だけど、守備は10割可能」
DVD or オンライン版/月々2,475円×12回の分割対応。

公式サイトで詳細を見る →

こういう親子には、たぶん刺さる

  • 恐怖を克服したあと、本格的に守備を強化したい
  • YouTubeだと断片的で、順序立てて学びたい
  • 親が野球未経験で、教える基準が分からない
  • レギュラー定着・上のチームへの移籍を見据えている

こういう親子には、たぶん不要

  • 子どもがまだ低学年で、いまは「楽しさ」優先の段階
  • すでにチームに元選手の指導者がいて十分指導が受けられる
  • 無料コンテンツで段階的に学べていると感じる

教材以外の選択肢もある

  • 地元の野球教室・守備クリニックに親子で参加してみる
  • プロ監修系のYouTubeチャンネルを「再生リスト順」で通しで観る
  • 図書館で守備指導書を3冊くらい借りて視点を増やす

3ヶ月続けても改善しない時は、無理しない

段階練習を3ヶ月以上続けても改善しない、夜にうなされる、練習に行きたがらない——こういうサインが続く場合は、トラウマ反応の可能性もあります。
無理に「怖がるな」と押し付けず、スクールカウンセラーやスポーツメンタルコーチなど専門家への相談も選択肢に入れてあげてください。

ボール全般を怖がる場合は、こちらの記事も

イレギュラーバウンド以外で、投球やバッティングを含む「ボール全般の恐怖」を扱った記事もあります。あわせて読むと、子どもの恐怖の全体像が見えてきます。

最後に|「怖い」は、弱さじゃない

イレギュラーを怖がる息子に「逃げるな」と叱るのは、たぶん一番やってはいけないことでした。
大切なのは「絶対に痛くない環境」から始めて、ゆっくり成功体験を積ませてあげること。

スポンジボール → ゆるいワンバウンド → 横ゴロ → フェイスガード着用の実打球 → 少しずつスピードアップ。
この5ステップを焦らず進めれば、3ヶ月〜半年で多くの子が変わってきます。克服のスピードを上げたいなら、親自身が体系的な指導メソッドを学ぶのも、けっこう近道です。

「怖い」は弱さではなくて、体が自分を守ろうとしている証拠。否定せずに、段階を一緒に踏んでいけば、必ず守備は楽しくなります。

※当サイトの個人的見解です。練習方法や道具選びは、お子さまの年齢・体格・恐怖の度合いによって異なります。強い恐怖反応や睡眠への影響が続くようなら、医療機関や専門家への相談も選択肢の一つとして検討してください。